機械学習の解釈性とパフォーマンスの両立を目指して:Human-in-the-Loop Interpretability Prior

機械学習、特にニューラルネットワークなどのアルゴリズムを使った場合、出力された結果は何万・何十万次元のベクトル演算の結果であり、人間が直接解釈することは難しい。ニューラルネットワークの解釈性については近年様々な研究が行われている。一般的に解釈性の低いモデルは高い精度を出すことが多く、適度な解釈性と適度な精度のバランスが取れたモデルが必要なケースが考えられる。

この論文「Human-in-the-Loop Interpretability Prior」は機械学習モデルに対して人間がある尺度(論文ではHIS:Human Interpretability Scoreという、人間がモデルに従って入力から出力を予測するのにかかった時間の逆数)を事前確率として、データXが与えられた際にそのデータを最も適切に説明できるモデルMをp(M|X)をMAP推定することにより選択するという手法を用いている。著者らは4種類のデータセットで実験を行っており、タスクごとにreasonableな解釈性を持ったモデルを選択できていることを確かめている。

読んだ感想としてはHISの決め方が果たして、人間がかかった時間の逆数という尺度を使うのは解釈性の尺度として適切なのか?といった疑問や、新しいモデルを作るたびにユーザの評価が必要になり汎用性は低そうに思った。HISを何らかの尺度(例えば計算時間や消費メモリ)によって算出することが出来れば、この手法を人の手を介さずに適用することも可能なのではないかと考える。


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